サムライスピリッツ零SPECIAL


世に 武士道というものあり

屍山を越え 血河を渡り

極めんとするは 剣の道 己が露命を刃に血塗り

我は修羅の道逝く 羅刹なり





ストーリー

キャラクター

システム

ROM回収騒動

今回のリムルルは一回休みです

同キャラ台詞集


零SPECIAL完全版リンク・ぽんしゃぶ弐号さま
何かの検査のためにある会社に出した零スペ基盤が天下一の齧った設定と共に作り変えられたものだそうです

絶命奥義総覧


おまけリンク・絶命奥義について共感した意見



零発売からわずか半年後、2004年春に調整版ともいうべき

「サムライスピリッツ零SPECIAL」が発表されました。

今回はストーリーモードがなく、過去作のボスキャラ4名を復活させた

いわばお祭企画と言うべき位置付けの作品です。サムスピシリーズでは初の試みですね。

この作品を最後に、ネオジオは14年の歴史に幕を下ろしたのですが

本作で追加された「絶命奥義」を巡るROM回収騒動、海賊版?と噂される「完全版」が

一時出回るなど、波乱含みの幕切れとなりました。



ストーリー

は、ボス参戦のお祭企画で時間軸を無視しているため存在しないのですが、

”続編”であることを匂わせる要素のあるキャラが何名かあるように思います。

・真鏡名ミナ…ますます自閉気味になり、危ない傾向が
増えてきたような台詞。エヴァ末期でしょうかね(笑)
これはあのEDのあと、チャンプルをどうしたか、彼女がどうなったのかということを
暗示しているともとれます。ただチャンプル自体はSPの画面に平然といますが…。
天下一でもいるけどさ


・劉雲飛…零の時に比べ、台詞が長くなり人心地つき、新たな交わりを求め出したように思えます。
体力中勝利の「惜しいな、機を違わねばあるいは…」など。
EDのあと生き残ったとして、新たな一歩を踏み出したともとれるのでは?
しかし一閃の台詞が、「案ずるな、ワシもすぐに逝く」となってて相変わらず死ぬことばっか
考えてるんですかじっちゃんてば…。まぁ、年のせいでそう長く生きない、という覚悟なのかもしれませんけど。


・タムタム…前回は別人、今回は本人。体力小勝利台詞「負ケルコト許サレナイ。
ソレガ戦士ノサダメ!」は、前回我旺(闇キ皇)討伐に失敗したことを踏まえているようにも思えます。


完全版のストーリーは、黒子が謎の御前試合の出場者を探しており、

勝ち抜いたプレイヤーキャラに、飛脚を通じて招待状を渡す、というものだったそうです。

徳川将軍家所属のヨッシーが誰の御前で試合することになるのか気になりますね。天覧試合とか?(笑)

それより気になることが。プレイヤーキャラ内の魔界妖怪関連の連中、

水邪サマは少なくともまだまともに話だけはできそうだからよしとして、
天下一で怪しくなったけど…師匠になんていうのか楽しみだわ


炎邪・羅刹丸・外道のようなまともに話も出来そうにない危ない奴らの前に出た

飛脚さんの身の安全がとてもとても気にかかりますよ私ゃ。



キャラクター

前作の24キャラに、2D版サムスピのボス4キャラ全てが参戦。

そう、絶命奥義と並ぶ、最大のウリであるあのキャラも!


〔復活のボスキャラ〕

天草四郎時貞

 初代(及び天草降臨)のボスキャラで、ガダマーの宝珠と呼ぶ大きな宝玉を武器にしている。

(これは実は、タムタムの村に祭られている聖石パレンケストーン。)

島原の乱で死去したが、魔界の暗黒神アンブロジアの手によって蘇生しさまざまな凶事を巻き起こした。

今回の天草は、台詞に「エデン」とか「免罪符」とか「主よ」とか入っており、

アンブロジアに関係しているのかどうか微妙。一応年代的には初代の前なわけだし……

そして声優さんも変わっていて、確かにダメージボイスを聞くと今までの天草ではないです(^^;)

「アウッ!」てあなたタムタムですか?(苦笑)


壬無月斬紅郎

第三作・斬紅郎無双剣のボスキャラ。天草降臨でも再登場。

流派は無限一刀流。巨大な刀・紅鋼怨獄丸を振るう。

天草降臨では、前作無双剣に存在していた

隙ばかりでかくて何の役に立つのかわからなかった必殺技が削除され

かつ残った技が強化されたため、かなり強くなっていたのですが

それは零SPも同様と言うか、必殺技は数こそ少なめでも、かなり使い勝手のいいものが揃っています。

個人的には、今回の零SP斬紅郎は歴代の中で一番カッコいいと思います。

声優さんの演技もさることながら、台詞の端々に斬紅郎の本心が伺えるんですよ。

初めて、断末魔の台詞が「よくぞ我を討った…」だと気づいた時には、ああこの人は本当に辛かったんだな、

とかなり感情移入してしまいました。斬紅郎にとっては「憐憫こそ愚弄」(哀れむなど馬鹿にしている)でしょうけれどね。

それにしても、言ってる台詞は小難しい。しかし大意を汲めばかなりきっちりした人という印象があるんですが。

ホントに鬼か?


兇國日輪守我旺

我旺しゃまはいいから夢路ちゃんを出せ
と、思った貴方は手をあげましょう(笑)

それはそうと、プレイヤーキャラになった我旺さん。絶命奥義の時以外は変身しません。

内海賢二さんボイスが心行くまで堪能できるのは貴重です。

・・・・・・う〜ん、後は特に言いたいこともないですね(^^;)

リーチが長いのは有利。ダッシュが結構速いのは、1タムタムユーザーとしては

うらやましい限りです(笑)



羅将神ミヅキ

全盛期のサムスピ(真の全盛期は初代)・真サムライスピリッツの凶悪な強さを誇ったラスボス、

羅将神ミヅキが10年ぶりの復活!

グラフィックは全て書き下ろされ、技や性能も一新。

その結果、炎邪と並ぶダイヤグラム最下位常連に・・・・・・。というか、”かなり厳しい”or”玄人向け”キャラに。

炎邪同様、不利な要素は多いけれど、その分高い攻撃力を持ったいわゆる一発屋に分類されるようです。

真のミヅキとはほぼ完全に別キャラと思った方がいいですね。

これについては賛否両論(というか否定派優勢)ですが、

私個人は、零スペミヅキは結構好きです。あんまり美人と思えない絵もありますけど(^^;)

何と言っても魔獣アンブロジアの普段の姿(暗黒パピィ)が

ないだけでも好印象。伊藤静さんのボイスも、生駒さんと別の魅力があって素敵だし。

ただし、相手を豚に変えて叩きつける投げ技・神魔滅殺陣を見た時は

「ボッゴルァァ!!! そこはガルはパピィになって、タムは猿になるとこじゃろうがぁぁ!!」

とかなり本気でカチンときちゃいましたけど(笑)



システム

投げがレバー+Cボタンからレバー+CDボタン同時押しに、

無の境地の発動がBCDボタン同時押しに、といったコマンド面での変更以外に

無の境地発動の隙が大きくなり、発動している時間も全体的に短くなり、

また半分を過ぎたところで溜まりにくくなるなどの変更がなされました。

さらに無の境地が発動できる条件の体力時に、相手キャラは怒り爆発をすることで

発生が無敵の「絶命奥義」が使用できるようになる…

要するに、零SPECIALでは無の境地は大幅に弱体化し、それに対抗する手段が追加されたわけです。

かつて、コミックマーケットやサムスピオンリーイベントで発売されていた零製作スタッフ参加の同人誌の

記述によりますと、絶命奥義の案自体は零の段階で存在していたが間に合わなかったとのこと。

各々のキャラの特性を生かした演出を楽しんで欲しいといったコメントがされていまして、

それは確かにそうなのですが

絶命奥義は零SPECIAL最大の売りであると同時に、演出面で様々な波紋を呼ぶこととなりました。


《対戦ダイヤグラム》

を、この零SPECIALで作ろうとすると本当に人によって差が出ます。

プレイヤーさんたちのブログでは、

大体、炎邪と羅将神ミヅキ(人によってはナコルルも…)がキャラ性能の厳しさの点で最下位、というのは

共通していましたが。

前作の、徳川慶寅の”撫子”に代表される強い技を弱体化し、

これまで弱いとされてきたキャラの性能を強化することによって、

零SPECIALは、純粋にプレイヤーの技術と努力で何とかできる昨今の対戦ツールとしては稀有なソフト、

という高い評価を一部で受けることになりました。

ただ、そこまでいくには決してわかりやすいとは言えないゲームシステムを理解し順応しなければなりません。

それはゲームとしては当たり前のことですが、プレイヤーの間口はどうしても狭くならざるを得ない、

という点も無視できないのではないか?と思われます。


《隠し技》

稼動から1年経った頃。行われる所ではなおも零SPECIAL対戦会が盛んでしたが、

隠し技のあることが発覚しました。もうさんざん出回った後ですが内容は

シャルロット:14連斬(怒り満タンにはならない模様)

ガルフォード:プラズマファクター(ガード不能らしい)

炎邪:コマンド入力で動きが速くなる。ゲームが止まる可能性あり。

とのこと。なんでこの3キャラだけだったんだろう?

面白がるか興ざめするかは人によるでしょうが、私は特に何とも思わないです。



《演出》

前作「サムライスピリッツ零」においては、初代サムライスピリッツからアスラ斬魔伝まで存在した

”斬り合い”であるが故のKO=死亡描写が全くなかったのですが、どうやらこれも制作期間上の都合だったようです。

零SPECIALでは、”斬り合い” ”殺し合い”を行っていることを演出面でとことん追及していました。

ある意味、サムスピの究極と言うか極北と言うか。

歴代を見てみますと、

作品 KO(死亡)演出 除外キャラ
初代 真っ二つ吹き飛びKO・血飛沫KO 何故か不知火幻庵・千両狂死郎・タムタムだけ真っ二つの対象外だったそうで
真サム 上記のKOは残っていたものの真っ二つ吹き飛び時にはキャラごとに撒き散らすアイテムが変化・血飛沫は妙にリアルさがなくなる。上半身ずり落ちKOが追加されたがスライド中に体は消失。
一般受けを考慮してか、リアル感のある死亡というよりギャグ的な印象が強い。除外キャラはなし。
斬サム 上半身ずり落ちKOはその場に下半身が残る。

なお、背面からの攻撃が追加されたことにより、背面からの血飛沫噴き出しKO・よろめき死にが加わった。
死亡描写がナコルル・リムルルにのみつかなくなった。よろめき死にのみ発生する。
天サム 立て真っ二つ(一刀両断)KOが加わる。ランダムで、血飛沫KOの時勝利した相手キャラが全身に血飛沫を浴び勝利ポーズを取らない演出が加わった。対戦後のとどめである断末奥義の追加。 血飛沫浴び・断末奥義その他による死亡描写がナコルル・リムルルにのみない。
ポリサム 勝利時、2Dグラフィックによる血飛沫・真っ二つ描写あり。 ナコルル・リムルル・色の女性キャラ
アスラ斬魔伝 斬りKOで、3Dによる血飛沫を上げて上半身がずり落ちる描写が追加。よろめき死に発生で専用ボイスあり。

なお、体ではなく腕が切断され、うずくまるKO描写が加わる。
除外キャラなし。ナコルル・リムルル・色の女性キャラ3名(×3)も対象となる。
蒼紅の刃 PSソフトの年齢制限のためか、血飛沫の効果こそあるものの、切断描写は一切なし。
コンティニュー画面では、倒されたキャラはちゃんと生存している。
なし
零サム 血飛沫グラフィックあり。死亡描写は一切なし。 なし


そういった感じでしたが、零SPECIALでは。

零SPECIAL 斬サム・天サムの死亡描写、血飛沫浴び全部あり。
絶命奥義の追加。
主に下段喰らいで発生する、叩きつけ血飛沫KO。
及び、蹴りKOですらも血飛沫グラフィックが大量に出る。
除外キャラなし。ナコルル・リムルル・レラの三名もばっちり対象に。



絶命奥義は、その名の通り無の境地が出せる状況であれば相手の体力がどれほど残っていても一発KO、

というシステムで、”完全に相手を殺す”ことを主眼にした演出も見られます。

中でも、相手の首を切断する破沙羅、相手を喰って頭骨を吐き出す妖怪腐れ外道、

爆発の後相手の四肢が落ちてくる兇国日輪守我旺、

首を吹き飛ばす羅将神ミヅキ、血の雨を降らせる水邪、相手を骨も残さず燃やし尽くす炎邪、

この辺りが最も過激な描写でしょうか。

これらが10代の女性キャラクター(ナコルル、レラ、リムルル、真鏡名ミナ)にも行えることから年齢制限ゲームでは?

と言われたり、猟奇ものを愛好する傾向の人たちに持ち上げられたりもしたようです。


私個人の意見を述べますと、

むしろ天草降臨時代、ナコルルやリムルルに死亡描写がないことの方に遥かに理不尽を感じていました。

この2キャラを汚さないためか何なのか、血飛沫を浴びもせず平然と立っている描写の方がよほど気持ちが悪かったですから。

自分は絶命奥義を使う際、キャラクターといえどもこれは”死”なのだということを意識して、

大げさな言い方ですが、厳粛な気持ちで画面を見ていました。しかし。

サムライにはほとんど触れたことのない一般ゲーマーの友人の前で、零SPECIALをプレイして見せた時。

首切り破沙羅を使って、CPUに片っ端から絶命奥義をかけてみました。その感想。

「・・・・・・こわ。」

次いでROM回収騒動のことを話したところ、「それは当然でしょ」とのコメントをもらいました。

こう聞いて、やっと別の視点を得たわけです。確かに、どうしても人を選ぶ演出ではあるなと。

基盤が限定生産で、少なくとも近隣では入荷するゲームセンターがぐんと減った原因の一端はやはり、会社側も

それを意識したからなのかと・・・・・・。


ROM回収騒動


最期のネオジオカセットROMとなる「サムライスピリッツ零SPECIAL」は限定生産・完全予約制でしたが、

ROMユーザーの元に届いたゲームからは、絶命奥義・死亡演出が削除されていました。

どうやら急ぎでこの削除を行ったために、アーケード版ではなかったバグが発生したりしていたようです。

私はネオジオユーザーではないのでいわば人のことではあったのですが、ネオジオのROMは高額商品なこともあり

ユーザー間では大変な騒ぎとなり、署名サイトも立ち上げられ、結果発売元のSNKプレイモアはROMを回収し

修正版を配布することとなりました。

しかも、最初の削除版ROMに何かすれば普通の絶命奥義が行えることが判明したようで・・・・・・こちらのページ参照

あーあ。


この件に関する個人的意見を述べておきます。

私は、サムライスピリッツで代々行われてきた演出が、零SPECIALで徹底追求されたのはありという考えでいます。

(やりすぎだろと思うこともありますが、やはりサムスピの世界が好きなわけですから。)

ただ、現在の世相・会社のイメージを考慮した上での削除なのであれば、

事前告知を行うことは企業としての最低限の義務であったと思います。

さらに言えば、元から演出面に関して開発陣に駄目だしをしておくか、

年齢制限をつけておくか(ネオジオユーザーで10代は、たとえいるとしても極小だろうとは思えますが)、

残虐モードのONOFFをつけておくか。

大慌てでバグまで残る削除作業をされたのでは、「サムライスピリッツ零SPECIAL」という作品が気の毒です。

やはり、一本筋の通った処置を施さなかったのが騒動の最大の原因でしょう。

発売すればどの道クレームは必ず来るのだから、回収して作り直し、などという二度手間をかけるより

最初から売上が落ちるのを覚悟し告知を行った方が賢明だったのでは?

やり方がまずかったですね。言いたいことはそれだけです。


今回のリムルル

は一回休みです。零と一緒だし。

絶命奥義として、「アスラ斬魔伝」のコンルストゥ(巨大ハンマー)が復活。

ますますお笑いキャラに磨きがかかりましたか?

   天下一剣客伝へ

サイトトップ