サムライスピリッツ零 キャラクター紹介
徳川 慶寅
その武将とは、数年前に江戸で出会った。
武将の比類なき強さと激しく國を愛する心に、当時の慶寅は「男に惚れる」という意味を知った。
そして今、「兇國日輪守我旺に叛意の疑い有り」との風聞が慶寅のもとに―――――。
「……粋じゃねぇなぁ」と呟きながら、慶寅はいつもの遊郭に足を運ぶのと変わらぬ様子で、
ふらりと街に出た。肌身離すことのない、恋人達と同じ名をつけた六本の刀と一本の太刀を携えて。
真鏡名 ミナ
生まれ故郷の村は、廃墟と化していた。故郷の村からの強すぎる邪気を察したミナは脇目もふらずに村へと向かったが、
手遅れだった。生き残っていたのは友達のシーサー、チャンプルのみ。
チャンプルを抱き上げたミナは涙した、自分がひとりぼっちでないことに。その身を妖滅師として以来、
初めてミナは自らの意思で弓を引くことを決意する。「……許さない」強い邪気が流れてくる。日輪國の方角から。
雲飛
千年も前に己が犯した大きな過ち。それゆえに雲飛の意識は、ずっと眠らずに自らの罪を問い続けた。
その雲飛が目覚める。巨岩が内側から砕け、雲飛が目覚める。
雲飛の視線は、遥か東の果てを見ていた。
「忘れはせんぞ、この黒い気配……久しいわい」最初はゆっくりと、やがて急激な速度で、雲飛は空を切り裂き東へと飛び立つ。
「倭国に憑いたか。あやつを消さねば……。いざ、死出の戦に我逝かん!」
腐れ外道
飢餓の惨苦は余りにも根深く、小さな農村は地獄と化した。
餓えてからどれほどの時が過ぎたのか、もはやわからない。何でもいいから食べたいが、しかし……
混濁した意識の中でも葛藤は続いたが、最初の一口で消えてしまった。ひたすら貪り食った。
食い終えて正気に戻ると、自分が子供を食べたことを理解した。
だが、罪の意識はない。そこへ、息も絶え絶えの声が諌めてきた。
「こ、この…腐れ外道が!」
黒河内 夢路
武道の名門・神夢想一刀流の家系に生まれた夢路は、幼い頃から師である父に剣術を教え込まれ、その天賦の才を開花させた。
しかし、生まれつきの身体的な問題により、15歳の時に家を追われる。家を出た夢路は、他者を拒みながら生きてきたが、
我旺との出会いにより、自分の進むべき道を見つけた。心酔する我旺の命により、日本全国から強者を集めているが、
夢路の目にかなう者に出会うことはめったになかった…。
萬 三九六
力こそが全て!三九六はその馬鹿力と悪知恵で世の中を渡り歩く男。
天下に響く剣豪の名を騙ったり、己が危うくなれば即座に寝返って保身を図ることは朝飯前。
油断した相手を銃で撃ち殺したこともあるという、他にも数え上げればきりがない悪行の数々―――
おおよそ侍とは程遠い卑怯な生き様、それが三九六であった。
我旺の命令で夢路とともに強者を集めているが、隙あれば金品を奪って逃走しようと企んでいる。
覇王丸
名刀・河豚毒を引っさげ、強者との闘いを通じて己の剣の道を極めんとする好漢。
日輪國に諸国から強者が集まっているとの噂を耳にし、腕試しのために、と旅に出る。
ナコルル
アイヌの巫女。故郷のカムイコタンで穏やかな日々を送っていたある日、父の愛刀チチウシを携えた守護鳥ママハハが戻ってきた。
父の身に一体何が? ナコルルは急ぎ旅立つ。
羅刹丸
覇王丸の魂から生み出された反面の姿。残虐な性格で、自身の半身である覇王丸を殺し、その心臓を喰らうことで
完全体になれると信じている。覇王丸を探す旅を続ける。
レラ
ナコルルから分離した心の闇の存在。冷静に物事を判断し、敵を斬ることに躊躇いはない。
追い詰められたナコルルの心の均衡が崩れる時、レラはその意識を覚醒させる。
橘 右京
不治の病に冒された悲劇の天才剣客。
師・黒河内左近の子で、三年間行方知れずの夢路を探す旅へと赴く。
残された命を削る旅の理由は、夢路の帰りを待つ母親の姿にあった。
リムルル
ナコルルの妹で、同じくアイヌの巫女。コンルと遊んでいる間に忽然と姉が姿を消した。
雪に残された姉の足跡をたどり、リムルルは散歩気分でカムイコタンを出てしまう。
牙神 幻十郎
人斬りを生業とする非情なる剣客。ある時、みずぼらしい風体の男から、兇國日輪守我旺を殺す依頼を受けた。
この殺しも、幻十郎にとっては単なる暇つぶしなのか…。
柳生 十兵衛
公儀隠密の隻眼の剣士。柳生新陰流・改を極めんと精進の日々を送る。
「兇國日輪守我旺に叛意の疑い有り」との噂を聞き、服部半蔵とは別行動にて日輪の地に向かう。
首斬り破沙羅
一度は死に、あまりの恨みの深さから仮初めの生を得て蘇った男。
未だ死へと解放されず、気が付けば見知らぬ場所に…愛する篝火の導きに従い、破沙羅は彷徨う。
緋雨 閑丸
身よりも記憶もない閑丸に対し、その夫婦は家族同然に親身に接してくれた。
夫婦に何か恩返しをしたい閑丸は、戦働きとは知らずに日輪の地へと仕事を求め旅立つ。
花諷院 骸羅
骸羅には悩みがあった。屈強なる巨躯のせいか、はたまた口の悪さゆえか。行く先々で人々に怖がられてしまうのだ。
徳が足りない。骸羅は徳を高めるべく流浪する。
千両 狂死郎
狂死郎一座を率いる歌舞伎役者。大飢饉に苦しむ世を憂えても、己にできることは歌舞伎のみ。
民衆の力となる歌舞伎を目指し、狂死郎はひとり旅路を行く。
シャルロット
ヨーロッパは仏蘭西(フランス)より、アジア進出のための偵察を行う一段が日本行きの船に乗っていた。
しかし、シャルロットは、ただ純粋に見識を広めるべくその船に同乗していた。
タムタム
グリーンヘルの勇者。仮面の力を扱う神の戦士。早くから日本からの邪悪な気配を感じ取っていたタムタムは、
その邪悪を倒さんと、ひとり日本へと旅立つのだが…。
ガルフォード
「俺は正義のニンジャ、ガルフォード」そう言ってはばからない、金髪碧眼のアメリカンニンジャ。
相棒のパピーと一緒にジャパンの平和を守るため駆け巡る。
服部 半蔵
闇に生き、闇に死す、伊賀忍群頭領。徳川幕府に仕え、あらゆる任に己が身を焦がす。
「兇國日輪守我旺に叛意の疑い有り」の真偽を正し、その如何によっては闇に葬るのみ。
風間 蒼月
肥前の穏忍、風間一族の忍び。一族に伝わる刀・青龍の力で水を操る。
「浅間山、十和田より出でし間は日輪の地へ向かっている」との報を受け、蒼月は含み笑いをもらす。
風間 火月
肥前の穏忍、風間一族の忍び。一族に伝わる刀・朱雀の力で炎を操る。
「浅間山、十和田より出でし間は日輪の地へ向かっている」との報を受け、蒼月、葉月とともに日輪の地へ。
水邪
魔界に封印されていた精神体。自らを「神」と称する。蒼月の肉体を探しており、融合するべくして闇キ皇の持つ
「人魔一体の法」を求め、炎邪とともに日輪の地へと向かう。
炎邪
魔界に封印されていた精神体。本能の赴くまま、破壊衝動に従う。人間の言葉や思考を理解するが気にも止めず、
難しいことは水邪に任せる。火月の肉体を探している。
兇國日輪守我旺
日輪國の領主で、大飢饉により荒廃した国土を憂い、不甲斐ない幕府に激しく憤る気骨あふれる武将。
日本をより強い国に鍛え直し、国外に領土を広げることが、真に日本の未来のためという強い信念を持っている。
が、己の中で激しい幕府への怒りと狂おしいほどの愛国心がひとつになって燃え上がった時、
我旺の中に狂気が芽生えてしまった…。
豪槍と名高い十字槍を手に、我旺は覇を唱え、天に吼える。
「ますらおよ!我の元に集え!!」
時に一七八六年。これが後の世に言う、黄泉ヶ原の乱―――賽は投げられた!