服部半蔵


半蔵「こやつも知らぬのか……」

半蔵「! おぬしは!」

天草「クク、クククク……我こそは天草が怨霊。さぁ暗黒神がおよびだ」

半蔵「我が息子をかえせ!」

天草「こやつの体は、すでに我が肉となり魂は死霊どもにくれてやったわ! お前も暗黒神の手下となるがよい」

半蔵「なればその身ごと我が爆炎でつつみこむ!」

天草「あほうが! 我が暗黒神に逆らうとは」

半蔵「……息子よ……」




半蔵「天草が死霊に魂をうばわれるとは……。あわれな息子よ」

(その場に胡坐をかき刀を取り出す半蔵)

半蔵「だが、おまえ一人ゆかせはせぬ。わしもすぐにゆこうぞ」

下忍「またれよ! 半蔵どの」

下忍「貴殿は我が里において必要なおかた、どうか、おもいとどまっていただきたい」

半蔵「…………」

下忍「おたのみ申す!」

(半蔵、刀を下げうなだれる)

半蔵「あい分かった……。一度は死んだる身、おぬしらにこの命あずけ申そう」

(場面変わって"演武の間"。腕を組んだ半蔵が若い忍者(次男の勘蔵か?)に指南している)

半蔵「精神に生ずる炎魂をとき放てぃ!」

(若い忍者、爆炎龍を打つことに成功しガッツポーズ。頷く半蔵)




半蔵「我が一生は無くろじのごとく、されど我が魂はまんりょうのごとく」