千両 狂死郎
狂死郎「見事な負けっぷりじゃ」
狂死郎「! 何じゃろ?」
天草「クク、クククク……。我こそは、天草が怨霊。さぁ暗黒神がおよびだ」
狂死郎「なんと、天草とな!」
天草「ククク……見事な舞だ。我が暗黒神の前で死ぬまで舞続ける気はないかね」
狂死郎「わしをかどわかすとはまようたか、天草」
天草「ククク……ならば死をまっておれ」
狂死郎「おそろしや……天草……」
狂死郎「貴殿にも歌舞伎のすばらしさ、わかっていただけたかな」
狂死郎「むう! きづかぬとはうかつ、なかなかの絶景なり」
狂死郎「さてさて皆の衆、よったり、よったり!」
(幕が開くと、狂死郎ステージの楽士たちが演奏している中狂死郎が登場し、舞を披露する。拍手喝采の観客たち)
狂死郎「やはり、わしのこの舞こそが本物の歌舞伎であったようじゃの!」