デジタルデビルストーリー2 魔都の戦士

口絵より 衛星に巻き付く”デジタルデビル”セト。
10数年前の、アニメージュ文庫で刊行された小説「デジタルデビルストーリー」。
これをご存知ない方は多くても、「女神転生」と聞けばピンと来る人は多いでしょう。
アトラスの名作RPGシリーズの大本は、この「デジタルデビルストーリー」の第一作
「女神転生」のメディアミックスから始まったのです。
つまり、小説がビデオ化、ゲーム化という流れに乗った時(ビデオは、5時なのに銀行が営業していたり
血しぶきがブラシ処理でめっちゃ迫力なかったりとツッコミ所満載。主役コンビの声優が、水島裕と島津冴子だったのを何故か覚えてるし)
悪魔を仲間とするシステムが大当たりし、元々キャラゲーだったのにキャラ性が完全に抜け落ちて
一つのゲームシリーズを成立させる要素だけが残った、という珍しいパターンを辿ったのです。
で、原作の方は第1部が三部作完結。
主人公は日本の国作り神・イザナギの転生と目される高校生中島朱実(なかじま あけみ)。
ヒロインは、イザナミの転生であり発火能力を持つ女子高校生白鷺弓子(しらさぎ ゆみこ)。
戦う相手は、コンピューターによって呼び出され実体化した魔界の存在、デジタルデビル。
最初の敵は北欧神話出身のロキ。作者があとがきで、ロキのトリックスター性を認めながらも
敢えてヒール(悪役)に徹してもらいました、と書いているとおりの扱いなのですが、
女抱きまくりの(一人妊娠させる)、人殺しまくりの、無意味に触手野郎だの
人によっては『魔探偵ロキ』より許しがたいかもしれません。
で、そのロキを倒した後にデジタルデビルの後釜に座るのがセト。
第二部はセトの実体化を阻止する話なのですが。
この話から登場した、人類滅亡をもくろむ黒魔術師の活躍が前面に押し出され、
セトは単なる使役魔程度の扱いしかされなくなります。
なんせ、アポフィスと合体してるしな。(上の画像参照)
本来セトは悪神というより”荒ぶる神”であり、太陽神ラーの乗る太陽の船の舳先で
闇の大蛇アポフィスと戦う役目を負っていました。後代悪魔と目されるようになっても、
砂漠の動物とかロバとか河馬とか、エジプトで”負”と考えられた動物と
同一視されはしても、アポフィスそのものとごっちゃにされることはさすがになかったようなんですが。
でまぁ、魔術師の差し金で実体化するため東京に”大破壊”という災厄を巻き起こしつつも
なんだか影の薄いまま終わってしまったデジタルデビルセトですが、
後釜は魔王ルシファーが引継ぎ、とってもダークなラストへと向かいます。
その結末に納得いかない読者が多かったため、(個人的には滅茶苦茶納得してましたが)
『新デジタルデビルストーリー』という続編が書かれました。
それに関してはこちらのサイトさまが非常に興味深いコラムを設けておられます。
(踊る上海亭さま・わが青春のB級小説〜愛すべき怪作たち〜の『新デジタルデビルストーリー』)
それではこの辺で。
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