大熊猫(ター・ションマオ)

オープニング


二人目


四人目


九人目


エンディング


オープニング

大陸(中国)から武者修行に来た武道家。

下膨れの顔に線のような細い目、異様に長い右腕など、その得意な風貌は見るものすべてを驚かす。

密入国した離天京そのものが、日本だと思い込んでいる。

ある日、離天京にある森の中で、偶然見てしまった妖精(ナコルル)に一目惚れ、それ以来、修行そっちのけで彼女を探し求めている。

変質的な執念深さを秘めており、万が一、彼女が他の誰かに見つかってはいけないと勝手に思い込み、森に入る者を逆恨みしては成敗している。

また、この男が使う独特な武術は、片方の手から伸びる伸縮自在のつめで変幻自在に敵を切り刻み、大陸では『肉裂き大熊猫』と呼ばれ恐れられている。

「きっと妖精さん、誰か奪おうとする。妖精さんは、僕だけのモノ……そうだ! 彼女は僕に守ってほしいんだ……。

きっとそうなんだ……。きっと……きっと……」

妖精さんはきっと喜んでくれる。その顔を想像し、ほくそ笑みながらター・ションマオが、闇へと消えていく。




対七坐灰人(二人目)

大熊猫「僕はあまり、この街が好きじゃないのさ。なぜならここには、アブナイヤツがうろうろしてる。

早いとこ僕の妖精さんに関する情報収集をして立ち去らないと、キケンがアブナイ。

おっ!! はっけんはっけん……んっっっ!! ヤッ! ヤバイ、あの顔はキケンだっ! とっても、サディスティック&ダーティーな感じがする。

しまったっ!! 隠れる所がナイィィィッ! そうだ、目立たないようにしよう。目立ってはならないんだっ……来たっ!…………」

夜血「…………?」

大熊猫「…………」

夜血「おまえさぁ? 道の真ん中で何かたまってんだよ。どけよ」

大熊猫「…………」

夜血「どけっていってんだよ!!」

『ガスッ!!』

大熊猫「ウッッッ!!…………」

夜血「鏡餅か、オマエ。焼かれて死ねよバカ」

大熊猫「…………。行ったな……。ケ・ッ・タ……ケッタ。ケッタ!! ケッタ!! 今、ココ! ココォッ!! ケッタ、ゼッタイケッタ!

何てヤツだ! いつか殺ってやる、絶対殺ってやる!! だからイヤなんだ、だからイヤなんだぁこんな街っ!

フン!! そんな事より妖精さんだ!! …………。だけどケッタよ、アイツ! 音がしたよ『ガスッ』って。ここに『ガスッ』ってぇ〜。

フン!! そんな事より妖精さんだ!! ……おっ!! はっけんはっけん。んっ!? 外国人のヤングメンのようだ。こいつにしよう。

ヘイッ!! そこのヤングメン!」

灰人「……?」

大熊猫「ボクの名前はター・ションマオ。コードネームはパ・ン・ダッ! でっ、キミの名前は?」

『バキッ!!』

大熊猫「……イッイタイィィィ……」

灰人「何だぁ、テメエ?」

大熊猫「なっななな、何で殴るんっ!!」

『バキッ!! バキッ!!』

大熊猫「……キュウゥゥ」

灰人「大福のくせにしゃべんな、コラ」

大熊猫「なっななななぐったぁ!! 『バキッ!! バキッ!!』って!! !!!!!」

『ガスッ!!』

大熊猫「!!!!! ヒッ!! ヒィィィーーッ!!!」

灰人「しゃべんなっていってんだよ」

大熊猫「ヒィィィーーッ!! キッキッキライダッ!! オマエラナンテ、大キライダァーーーーーッ!!!」




対九葵蒼志狼(四人目)

大熊猫「え〜っ妖精さん、妖精さん、来てください、来てください。こちらパンダちゃん、あなたのパンダちゃん……。

駄目だぁ。妖精さんとの連絡が完全に途絶えてしまったぁ!! いけません、いけません。こんな事ではいけません。

今ごろは僕がいなくて、困ってるに違いない。……んっ?! あの人に、訊ねてみるに違いない。シタタタタッ!!」

蒼志狼「…………」

大熊猫「ヘイッ!! そこのヤングメ〜ン。ボクの名前はター・ションマオ。コードネームは……パンダの『パ』、

パンダの『ン』、パンダの『ダ』。3つ合わせてパンダ。よろしく!!」

蒼志狼「…………」

大熊猫「このぉ〜、シャイなあんちくしょう! そんなキミに質問さ!! ボクの妖精さん見なかった?」

蒼志狼「…………」

大熊猫「クッ、クールなあなたに首ったけ。そんなキミに質問さっ!!(リベンジ) ボクの妖精さん見なかった?」

蒼志狼「…………」

大熊猫「……キミ……。三度目は辛いよ。まさか! まさか僕の事、無視してる?」

蒼志狼「…………」

大熊猫「……もしかして、本格的に無視……してる?」

蒼志狼「…………」

大熊猫「オッオマエ!! ま、まさかメガ無視してるのかぁ!!」

蒼志狼「…………」

大熊猫「くっ悔しすぎるぅー!!」

蒼志狼「すまん、寝ていた。何か用か?」

大熊猫「ヒッ、ヒッヒッーーーッ! キッキライダ、キライダ! オマエナンテ大キライダァーーーッ!!!!」




対眠兎(九人目)


大熊猫「ヤバイ、激ヤバだ!! 本格的に妖精通信が通じない。このままでは、妖精さんにキラワレテシマウ〜!」

眠兎「オッパイ、ボイーン!! オケツはプリプリ!!♪ ひみつの花園、まっクロケェーッ!!♪」

大熊猫「しっ!! しど〜う、しど〜う!!」

眠兎「ホェ?!」

大熊猫「な、な、何て歌を歌ってるんだ、オマエッ!! 良い子の歌じゃないだろうが!!」

眠兎「オッ!! ブタマンだ、ブタマン」

大熊猫「しっ! 失敬だぞ、オマエ〜ッ!!」

眠兎「ふ〜ん、ニクマン?」

大熊猫「いうなぁーーーーーっ!! 大体オマエは何だ!! 世界観を無視しすぎだ! ていうかキャラ的に変だっ!」

眠兎「あんね、リューキューにいる鳥は飛べないって、オジイがいってたの。鳥のくせに変だよなっ!!」

大熊猫「えっ?! 何の事?」

眠兎「それじゃあれか? 遠くても『ソバ』と同じだなっ!!」

大熊猫「何? 鳥じゃなくて、ソバ? 何いってんの、キミ?」

眠兎「チューカマンは、さしずめあれだな」

大熊猫「エッ? ボクの事、何?」

眠兎「デブチンのバカチンだな」

大熊猫「キィーーーーッ、さっきから何をいってんだ!! オマエなんて殺ってやる。この場で殺ってやる〜ぅ!」

眠兎「ウケケッ。赤くなったらアンマンだよ、これじゃ」




エンディング

(森の中で浮かぶ聖霊ナコルルの前に、覇王丸が腕組みして立っている。)

覇王丸「もう20年か……あの頃が懐かしいぜ。なぁ、ナコルル」

ナコルル「長い時間が過ぎてしまったのですね。今はもう、邪悪な意志は去りました。

しかし、自然の驚異はこれからです。人が自然のささやきに耳を傾けない限り……」

覇王丸「自ら救った命を、自らの手で滅ぼしてしまう。人間の業か……」

ナコルル「でも、リムルルが……あの子がいます」

覇王丸「ああ、あいつは昔と何も変わっちゃいねえ。オレの姿を見て『よっぽど苦労してるんですね』だとよ」

ナコルル「クス……あの子らしいです。あと少したてば、自分が長い時間、眠り続けていた事に気づくでしょう」

覇王丸「……また、行ってしまうのかい」

ナコルル「……はい」

覇王丸「……なぁナコルル……いいのかい。多分アイツは自分の故郷でおまえを待ってるぜ」

ナコルル「……もう……私はあの人と同じ時間を歩む事はできないですから……」

覇王丸「そうか……達者でな」

ナコルル「…………」

覇王丸「ナコルル、人間ってのは案外、捨てたもんじゃねえぜ。おまえが……そうだったように」

(ナコルルの哀しげな表情)

ナコルル「…………」

(去っていくらしいナコルルに手を振る覇王丸の背後の木から、ターションマオが覗いている)

大熊猫「さようなら……ボクの妖精さん……。ボクは君を忘れない……いや、忘れてなるものか。

絶対忘れてやらないさ!! 忘れない、絶対忘れない。ブツブツブツブツ……」

(草原で、精霊たち?に見守られながら草木を植えている少女芽衣の側にやって来る大熊猫)

芽衣「…………。よいしょ、よいしょ。元気に育ってね」

大熊猫「……イイ……何かイイ……。フフフッ……フフッ、イイよ、キミ」

芽衣「……こ、こんにちは……」

大熊猫「フフッフフフフフッ……好き……」

(芽衣に近づいていく大熊猫、後ずさる芽衣)

『ヒュ〜ュ〜ゥ』

芽衣「…………」

大熊猫「フフフッフフフフフ」

リムルル「どいてぇ〜、どいて下さぁ〜〜い!! キャッ!!」

『ドッカン! △□☆○!!』

(猛スピードで丘を駆け下りてきたらしい?リムルルが大熊猫にぶつかって尻餅。吹っ飛ばされ前のめりに倒れる大熊猫)

大熊猫「フギィッ!!」

リムルル「イッタァ〜イ……ゴ、ゴメンナサイ」

大熊猫「ヒッ!!ヒィィィィィーーーー!!」




芽衣は朧衆の一人で命の世話係鞠男(マリオ)の妹。眠兎の友人で眠兎のエンディングにも登場。

『蒼紅の刃』公式ガイドブックの設定書には

「心のやさしい良い子」「とても人見知りがはげしく、人と話すのが大のにがて」「自然を愛する」

「大自然のオアシス・ガーデニング少女」と書かれている(P137)。

ちなみに彼女の足元にいる精霊のようなものには「球根チャン」と書かれている。



  

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