九皇蒼志狼
CPU戦全キャラクリアで使えるようになる、九皇天昇流を継承した蒼志狼。蒼煌と紅煌を扱う二刀流である。
オープニング
二人目
四人目
七人目
十人目
ボス戦
エンディング
転昇冽水
天より昇りし雨つ水、地に落ちて流水と成る。
流水、流れ着くところ、静寂なる湖畔に映る満月、即ちこれ真理なり。
されど天より雨つ水降る時、月は朧に消え失せん。これも又、真理なり。
転昇冽水
天より昇りし雨つ水、地に落ちて流水と成る。
流水、流れ着くところ、岩塊貫く激流の烈水、即ちこれ真理なり。
されど、天より月が昇るる日々続けば、激流勢い失せついに絶えん。
これも又、真理なり。
天昇
冽水と烈水交わりし時、日は昇りて流水、天に昇らん。
朧「まさか、その刀!!! そうか、クックックッ。堕ちたかよ、刀馬は」
九皇蒼志狼「元々、オレの刀だ」
朧「あやつほどの手錬れが堕ちるとは……。オヌシ、恐ろしい奴よのう」
九皇蒼志狼「オマエが三刃衆、朧だな」
朧「ヌシには隠しても無駄じゃろうて。しかし……あやつはマグマを封じ込めた、凍てついた氷河のような男じゃったが、
ヌシはまるで無限に広がる紺碧の海。まるで、実体がつかめんわ」
九皇蒼志狼「いいたい事はそれだけか」
朧「クッカカカカカッ!! 生きた身でヌシのような男と死合えるとは。
見よこの朧、歓喜のあまり震えておるわい。だが、行かせる訳にはいかぬ。
ワシの生涯を賭けてヌシをちぎり殺してくれるわ!!」
命「蒼志狼様、お待ち下さい」
九皇蒼志狼「オマエ……三刃衆の巫女だな」
命「はい、命と申します」
九皇蒼志狼「……命?」
命「蒼志狼様、お願いです。刀馬様を……あの方を救ってください」
九皇蒼志狼「…………」
命「このままでは強さを求めるあまり、あの方は自分自身の心に押し潰されてしまいます」
九皇蒼志狼「すまんが、無理な注文だ」
命「お願いです、私はどうなっても構いません。どうか、あの方を……」
九皇蒼志狼「ヤツが求める強さは(二刀)のうち(一刀)。自分でもう(一刀)に気づかぬ限り、誰にも止める事はできん」
命「もう、一刀?」
九皇蒼志狼「だが、キミはそれを持っている」
命「私が持っている?」
九皇蒼志狼「ヤツにも、オレにも欠けている刀を」
命「……か・け・た・刀……!!!!」
命(悪魔)「フッフッホホホホホホ。欠けた刀じゃと、何を血迷うておるのじゃ」
九皇蒼志狼「キサマ、命ではないな」
命(悪魔)「オヌシさえおらなんだら、あの方はこの世を手に出来たのじゃ」
九皇蒼志狼「それは夢でもあり得ん。それに、そんな世はすぐにもろく崩れ去る」
命(悪魔)「何をいいやるっ! あのお方こそ世に君臨するに相応しいお方じゃ!!」
九皇蒼志狼「…………」
命(悪魔)「フン!! もう良いわ。その2本の刀、お主を八つ裂きにしてワラワが刀馬様に与えるまでじゃ!! 蒼志狼! 黙って死にやっ!」
夜血「チッ……。ついやっちまったぜ。ばれてね〜だろうな。いくらオレでも仲間を殺ったとなると、許されね〜からな。
計画がぶち壊しじゃねぇか、クソッ! やばいぜ……マジやばくなってきたぜ……」
那美乃「……夜血」
夜血「あ……あぁ……どうした、ナミ?」
那美乃「大丈夫、夜血? 顔色が良くないけど」
夜血「何いってんだよ、なんともないぜ」
那美乃「そう……ゴメンネ、少し気になって……」
夜血「何で謝るんだよ。すぐ謝んなって、いってんだろ」
那美乃「ゴメン……」
夜血「……もういいよ。で、何か用か?」
那美乃「うん、仲間がみんな夜血を探してたって聞いて」
夜血「なんだと!!」
那美乃「どうしたの、何かあったの?」
夜血「那美乃、俺について来るか?」
那美乃「はい」
夜血「じゃあ今夜、この街を出る。オレ達の約束をかなえる為に」
那美乃「…………」
夜血「身を隠して待っていろ。オレたちの始まりは、今夜だ」
那美乃「…………。夜血……。どんな事があっても、私は貴方と一緒」
夜血「……信じろ」
九皇蒼志狼「また、オマエか」
夜血「すまん、あの時は悪かった。本当だ。アンタを侍と見込んで、頼みがあるんだ」
九皇蒼志狼「…………」
夜血「頼む、オレを侍にしてくれね〜か。下っ端でもいいんだ。そしたらさ、この糞溜みてえな街から、抜け出せんだよ。
なっ! どんな事でも、するからさ」
九皇蒼志狼「血を吸われると判っていて……コウモリを懐に入れるバカはいない」
夜血「コウモリ……だと……。コウモリでもよ、生きてんだぜ。人の血をすすってでも、生きていたいんだよ」
九皇蒼志狼「オマエ、そうやって命乞いする人間を何人殺してきた」
夜血「……分かったよ……テメエの血はすわねえよ……。その代わり、このクソダメにブチマケテヤル!!」
サヤ「何をしているの?」
銃士浪「雲をつかんでやろうと思って。願いがかなうらしいんだ」
サヤ「そんなの、信じてる人いるの?」
銃士浪「アァ、オレさ」
サヤ「変な人」
銃士浪「変じゃないさ。ただかなえたい夢があるだけさ」
サヤ「……銃士浪が夢だなんて。今日のアナタ何か変よ」
銃士浪「男は夢をかなえる為に生まれてくるんだ」
サヤ「ヤダヤダ、男はそうやって女を悲しませるのよね」
銃士浪「そんな事ないぜ。オレの夢にはちゃんと女が微笑んでるさ」
サヤ「ウソ? ウソでしょ? ……誰よ、誰! …………」
銃士浪「……………………。……サヤ」
サヤ「エッ。……ウソッ!! ……私?」
銃士浪「聞けサヤ!! 何があっても手を出すな」
サヤ「何? どういう事?」
銃士浪「男には夢をかなえる為に、けりを付けなきゃならない時がある」
サヤ「……!! あれは九葵蒼志狼……」
九皇蒼志狼「裏切りの代償は分かっているな、龍巳十四郎」
銃士浪「止まっちゃいられねえんだ……。立ち止まっちゃいられねえんだよ、オレは」
九皇蒼志狼「幕府の命により、オマエを斬る」
銃士浪「強い者も弱い者も、裕福でも貧困であったとしても、みんなが笑っている……。
ただそんな時代が見てみたいだけさ」
九皇蒼志狼「いくぞ」
銃士浪「蒼志狼!! ……オマエは夢を見た事があるか」
覇王丸「蒼志狼、ひとまず終わった様だな」
九皇蒼志狼「ええ」
覇王丸「命からの伝言だ。『あなたに掛けている刀は自分で気づかない間に、あなたの心に光り輝いている。
今は、使い方が分からないだけ』だとよ」
九皇蒼志狼「人には、それぞれたどり着けない場所がある」
覇王丸「なあ蒼志狼、もしこの国に未来があるのならば、オレ達侍は消える定めなのかも知れねえな」
九皇蒼志狼「形ある物、いつかは消えてなくなる。自然の理です」
覇王丸「そんなもんかね?」
九皇蒼志狼「そんなものです」
覇王丸「…………」
九皇蒼志狼「…………」
覇王丸「やるかい」
九皇蒼志狼「ええ。あなたは、オレと同じ場所を見ている」
覇王丸「長い間、たどり着けないがな。見てみろよ、良い月夜だ。この分じゃ明日は晴天だな」
九皇蒼志狼「…………」
覇王丸「蒼志狼!! オレは日の出を拝ませてもらうぜ」
九皇蒼志狼「オレは、蒼く澄み切った天(そら)を」
(回想シーン。道場で、座する養父の九葵武尊守鉄騎(蒼志狼の実父)に刀紅煌を振り上げる刀馬)
九葵武尊守鉄騎「増長するな刀馬。天下にはオマエがたどり着けぬ次元があるのだ」
刀馬「ならば、オレが代わりに黄泉へと送ってやる」
九葵武尊守鉄騎「我が息子たちよ。生き抜き、そして……遥かなる高みを目指せ」
(鉄騎の首筋に紅煌を当てる刀馬)
刀馬「この期に及んで息子などと……笑止!!」
(場面変わって現在。離天京のある島を去る船の上。葵の御紋がある帆を背に甲板に立つ九皇蒼志狼)
(その後ろに、槍を持った迅衛門が座っている)
九皇蒼志狼「迅衛門、聞いてもいいか?」
迅衛門「んっ! どうした」
九皇蒼志狼「オレは、オマエを超えられるか?」
迅衛門「何を言うとる、百年早いわ!!」
九皇蒼志狼「……そうだな……」
(甲板の蒼志狼を見やる迅衛門)
迅衛門「? ……蒼志狼!! オヌシ、今笑ったのか?」
九皇蒼志狼「…………」
迅衛門「そんな筈ないのう。オヌシの笑顔など、今まで一度も見た事が無いわい」
(元の姿勢に戻る迅衛門)
迅衛門「気のせいか……」
(どこまでも広がる青空、飛ぶ鴎たち)
九皇蒼志狼「あぁ……気のせいだ」