姉さまが言ってた〜サムライスピリッツ零・零SPECIAL

※お断り※

このページは、

・零のリムルルでリムルル萌えに目覚めた

・零のリムルルが一番好き

・零リム最高!

の方にとっては不愉快と思われる記述を含む可能性があります。該当の方は自己責任でご覧下さい。



SNKが倒産し、格闘ゲームとしてのサムライスピリッツ(以下サムスピ)は

「剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃〜サムライスピリッツ新章」以降4年間、世間から姿を消す事となりました。

色々あって(^^;)SNKの正式な後継となったSNKプレイモアが、悠紀エンタープライズに開発を委託した

「サムライスピリッツ零」(以下零)が発表され、2003年秋に稼動しました。



悠紀エンタープライズ所属(当時)のスタッフたちは、

かつて実際にサムスピに携わった人やディープなファンを含んでいたとのことで、

設定的に見て零は、”初代より以前”3D時代を含めたサムスピの歴史の集大成としてまとめあげられていました。

ナコルル・リムルルのアイヌ姉妹に限って見ると、

グラフィックの大半が「天草降臨」を使い回した旧キャラクターの中にあってこの2キャラは全て新規で描き下ろされ、

さらに追加された羅刹ナコルル的立ち位置のキャラクター(狼シクルゥに騎乗して戦う)・レラも

当初はナコルルの色替えの予定だったのが、やはり全て新規グラフィックという優遇されっぷり&熱の入れ具合。

ストーリー的には初代サムスピ以前という時間軸もあって、

ナコルルは”(ただひとりの)アイヌの戦士”となる過程を描かれ、

一方のリムルルは姉ナコルルとの絆の強さを説明する一端を描かれることとなったわけですが……後述。



さて、零におけるリムルルの描写を見てみますと。

まず2Dとしては「斬紅郎無双剣」「天草降臨」とナコルルと同じスタイルだったのが

3Dで半ズボンスタイルとなっていたのを引き継ぎました。

戦闘スタイルはこれまでどおり、やはりコンル頼み。

そして言動はこれまでよりも幼さが強調され……すぎていわゆる”頭がお花畑”な印象もあります(笑)

ストーリーモード冒頭、ナコルルは宝刀チチウシを持つ父に従って行ったママハハが、そのチチウシを携えて帰還したのを見て、

父の身に異変が起きたことを知り、ひとり旅立ちます。コンルと無邪気に遊ぶリムルルを見つつ、

「リムルル、ごめんね。ちょっと出かけてくるね……。すぐ戻ってくるから、待っててね……。」と呟いて。


〈ナコルルねーさまにツッコミ★〉

本人に直接言えばいーじゃありませんか

黙って行ったりするからあの頭のゆるい子がヘンな勘違いをして(略



……と思ったんだけど、言付けをしたならしたで「ねえさまがいくんならわたしもいくー!」(オールひらがな)とか

ゴネられそうだから面倒を避けるために、ということかもしれんと思い直しました。



零サムは切断描写が一切ないので生々しさこそないのですが、

リムルルは相手をハハクルとコンルの攻撃とでざっくり倒しつつ「姉様ー。かくれんぼ? 探しにいっちゃうからね!」を始めとして

ひたすら姉様姉様と言い続けています。

これを天真爛漫と見るか、あまりに何も考えてなくて違和感しか覚えないととるかはまぁ、

正しく人それぞれと言いようがありませんし、その人のサムスピに対する考え方にも左右されているのでは?

と言うこともできるように思います。



何せ、サムライスピリッツは日本刀を始めとした武器を用いて”斬り合う”ことを再現したゲームですから。

善人でも普通人でも悪党でも、人を傷つける事命を奪う事・そして自分が傷つき命を落とす事に対し

相応の覚悟が必要なはずなんですね。本来は。

覚悟は場合によっては己の信念もしくは使命感に置き換えられる場合もあり、

それはサムスピのこれまでの世界観では、暗黒神アンブロジァとその手のものにより引き起こされた異変に対する態度として

表現されたこともありましたから。そう見ると、世界観をブチ壊したと真っ先に槍玉にあがるチャムチャムすらも該当はしてたんです。

(「この人も黒い神に惑わされたみたいだね」(うろ覚えですが)といった台詞が真サムに存在)

零リムにはそういったものが欠片も見当たりません。

しかし正直、リムルル自体がそういう”軽いキャラ”として表現されたのは別に零が初めてじゃないんですが。

個人的には「アスラ斬魔伝」の羅刹リムルルもかなりのおふざけキャラでした。

ただ「アスラ」の場合は、世界観は置いてもキャラクターにはお遊び・お笑い要素がわりとふんだんに見られ

(特に一部の羅刹キャラクター)、そこでキャラクターの軽さを相殺されていたように感じられましたが、

それでなぜ零リムの違和感が少なくとも私にとって拭い去れないかというと、

零の世界観そのものはかなり重苦しく陰惨な要素を含んでいるのに(代表的なのは妖怪腐れ外道の設定やストーリー)

リムルルだけがまったく別次元のキャラクターだからです。


愚痴のようになってしまいますが、

こういった今時のニーズに合わせたキャラを出すこと自体はいいとしても、

それをリムルルでやってほしくはなかったですね。別にアピール用&趣味満足用のロリキャラ作ればよかったじゃん!ってね。




さて、零のリムルルを語る上ではずせないのがエンディングでの”衝撃の事実”。

回想シーンでリムルルは、どうやら何かの事情で家族もしくは故郷を失い(もしくは帰れなくなり)

そこで出会った幼い日のナコルルと姉妹として生きていくことになったらしいことが明かされます。

このエンディングは当時ファンの間で、かなりの困惑もしくは怒りを引き起こしたらしく

プロデューサーもそのあたりのことに「天下一剣客伝」インタビューで言及していました。


まぁ、リムルルは「真サムライスピリッツ」が初出であり「サムライスピリッツ」では裏設定のあるなしは不明ですが

全く登場してなかったわけですから、そういう意味では義姉妹でもおかしくないかもしれませんが、

年季の入ったファンにとっては、ナコルル・リムルルが姉妹であるのは”大前提”なわけですからね。

その意味で逆鱗に触れてしまったというか。

続編の天下一剣客伝でも、首切り破沙羅の零エンディング同様このことは全く触れられていませんでしたし、

今後もおそらく触れられることはないでしょう。

サムスピの中で正真正銘の”黒歴史”として葬り去られることになると思われます。



いやぁ〜、サプライズって難しいですよね★