むすめミートくん〜剣客異聞録甦りし蒼紅の刃・サムライスピリッツ新章〜

あたたかぁい・・・・・・

すごくあたたかい光が

あたし、どうしてたんだろう

気持ちいい〜。

なんだか凄くよく寝た気がするなぁ


姉さま?

姉さまが近くにいる

待っててね! すぐに行くから!

(3.目覚め)



地と 水と 火と 風と 空の精霊たちよ

 私たちに力を貸して!

(4.浄化)



蒼紅の刃サウンドトラックCD2のリムルル専用デモボイスより。

4はナコルルとハモり。なんかセイントテールみたいだね(懐かしい)

おそらく呪術的結界とやらを解くシーンなのでしょう。



アーケード版サムスピ最終作・「アスラ斬魔伝」から20年後という設定で、

PSで発売されたSNK版サムスピ最終作ですね。

しっかしタイトルめっさ長いねぇ〜、続けて言うと。

サムライスピリッツ新章、のタイトルどおり、20年の月日を経て単なるヒゲのおっさん…

もとい、伝説の剣豪になった覇王丸以外は全て新キャラ。

他に旧シリーズの名残のあるキャラといえば、真ちゃ…もとい、服部半蔵二世と

色とアスラの娘・みことくらいですか。

この頃には個人的にはもう何も言う気がしなくなっていたので

(つーか既に燃焼ジャンルを乗り換えていた)はぁ、そうですかみたいな印象でした。

正直、新キャラクターたちには今ひとつ興味が持てなかったです。

んで、人気爆発ナコルルとリムルルの姉妹はというと。

ナコルルはコロポックル(というか精霊)になってました。

初めてファミ通の告知でコロポックル型ナコルルのイラストを見た時は。

サムスピはもう、彼女抜きではやっていけないような作品になってしまったのだなと。

斬紅郎無双剣で復活した時にわかりきっていたこととはいえ、改めてしみじみそう思ったものです。

ナコルル精霊化というのは、当然ながら男キャラの覇王丸と違って、女の子キャラは年を重ねれば

単なるおばさんじゃあ商売にならな
彼女を愛するみんなの夢を壊してしまいますから、

苦肉の策といおうかなるべくしてなったと言おうか。

奇しくも全盛期にリリースされた『真サムライスピリッツ』について、

スタッフの一人(セイウチの野郎氏)がこう語っていたように。

(ナコルルEDについて)

あれは冒険でしたね。
ただ、ナコルルっていうキャラを、神格化したかったというのがあるんですよ。
今のままゲームのキャラクターで置いておくよりは、
もうちょっとカリスマとは言いませんけど、
イメージ的なところで妖精レベルにまで上げてしまいたかったんで、
思い切ってやりました。

(ALL ABOUTシリーズVOL,9 ALL ABOUT 真サムライスピリッツ 下巻
(スタジオベントスタッフ編 電波新聞社刊) 開発スタッフロングインタビューより


 
私情を挟むと何かとカチンとくるインタビューですな


(蛇足ながら上のインタビューコメントに関して。

どうも、”ゲームのキャラに置いておくより”とか、”カリスマ”とか”イメージ的に妖精”という言葉の端々から

ユーザー・ファンによってこれ以上ナコルルに手垢をつけられたくないという苛立ちが垣間見えるような気が。

そりゃ、まぁ…ナコルルはあちらの方の人気もすごかったからある意味無理もないかもしれませんけど。)


SNKサムスピ最終作、つまりどん詰まりの作品において

ナコルルはスタッフの目論見どおりに妖精になってしまいました。

それはある意味での神格化のためではありましたが、

スタッフが望んだようにファンの手にナコルルを届かせないようにするためではなく、

逆にファンのわがままに似た願いを叶えるためだけに

人としてのナコルルを無理矢理終わらせる、皮肉な行為となったように私には思えます。

(勿論この形を望まなかったファンもいたでしょうけれど)



そして妖精ナコルルの妹であるアイドル・リムルルが、

現実世界の女性と同じく年を重ねることをしないために選択された方法がこれ。

で、冷凍保存されたこやつの頭脳が役立っているかというと(以下略)
ページのタイトルの意味。(『キン肉マン2世』1巻より 作 ゆでたまご)


こっちは一応自発的に入っており、リムルルの方は朧の魔手から守るために

コンルが自発的にしたことという違いはありますけど、

やってることは一緒。コールドスリープ。ある意味、一度は死ぬことではなかろうか。


ミートにせよリムルルにせよ、製作者側のご都合主義自分の意志によりもしくは運命の悪戯により、

自分だけ成長が止まった姿で、見も知らない人たちの間に投げ込まれ生きざるを得なくなったと。

(とは言え、覇王丸と再会したリムルルはこんな調子 だったらしい。北千里さんのイラスト参照。)

なんでそういうことになったかという設定付けは。

(蒼紅はやったことないんで、昔立ち読みした攻略本とネットからの拾い読みの情報。)

ナコルルとリムルルは、覇業三刃衆のリーダーである老人・朧(昔は半蔵に並ぶ忍だったとか)に危険視され

ナコルルは封印、リムルルは殺されかけたところをコンルに守られたということらしいです。

(こちらのページ(異形列伝基礎知識)に詳しく載っていますので、ご存じない方は探してみましょう。

サムスピ以外にも、いろいろな和風伝奇ゲームや小説のキャラを網羅してますよ。

実は朧の師である元凶の即身仏・慈限大師の設定はこちらで初めて知りましたぁ。)


なぜ朧が姉妹を邪魔にしたかというと、それは二人が朧と慈限大師の企み(破滅的危機とやら)を

阻止できる力を持つ”光の巫女”だから。

うっわー、ベタの極上級設定!

『月華の剣士』の”地獄門”やら”四神”やら”封印の巫女”やらに匹敵するありきたりっぷりですね。

つまり基本設定全部ってことだが。

(月華はかなり好きなんだけどね。特に鷲塚・小次郎・天野・李・あかり&十三あたり。主人公トリオはどーでもよい)

なんかある種の開き直りすら感じられたりして。

それは別にいいとしても、この事件が決着した後、ナコリム姉妹は一体どうやって

知っている人のほとんどいなくなった世界で生きていくのでしょうね?

そのことを考えると、なんかうそ寒い気持ちになります。


ああ、このコーナーで肝心要のこの作品でのリムルルはどうかという点について一言。

CDのボイスを聞いてるとひたすら寒い。あ〜耳たぶが凍って落ちそうだ。

中でも精霊ナコルルの長台詞は、マジで凍死しそうになります。

ファンの人ごめんなさい。


     

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