ナコルル開発者コメント(ナコルル誕生秘話)
対戦格闘といわれるジャンルが完全に確立されようとしていた当時、熱狂的な人気を得ていた
美少女キャラクターに多く共通していたことは、圧倒的な美貌とスレンダーなボディを兼ね備え、
そのプロポーションをアピールする服装をまとっていることでした。
実力においても男性キャラクターに勝った、ゲームファンの憧れの対象となるものが多かったように思います。
そんな中で、いざ製作者として新たなキャラクターを創造することになった時、僕等が考えたのは
既存のゲームキャラクターがまだ世の中に与えていない要素を持たせようということでした。
そして出来上がった基本イメージが、オトコ達をやさしく包み込むような「柔らかさ」と、
これからの変化の可能性を持った「純白」でした。
それまでのスーパーヒロイン的で強気なキャラクター設定にはない、オトコ達が「ほっと出来る」ものに
しようと考えたのです。
「サムライスピリッツ」中のナコルルのセリフに、当時のアニメファン、マンガファン層にはわかり良すぎる
「大自然のおしおきです」というものがありました。
それまでは美少女アニメの定番表現だった「決めセリフ+決めポーズ」であるこの仕草は、
ユーザーの皆さんの絶大な支持を受けてナコルルの代名詞となりました。
目新しい民族衣装に身を包み、ほかの女性キャラクターと違って意識的に肌を隠していることや、
鷹「ママハハ」を共に戦う友人として連れていること。ナコルルが皆さんに指示して頂けた理由は
数多く挙げられますが、これ程までに熱い支持の真の理由は、理解し易いキャラクターを全面的にアピールする部分と、
僕等が目指した彼女の「ほっと出来る」感触とのふたつの要素が相まったことにあるのではないか、と考えます。
開発チームのリムルルに関する想い…
「真サムライスピリッツ」の世界観やキャラクターが強く支持されている状況の中、
「サムライスピリッツ斬紅郎無双剣」の開発はスタートしました。
ナコルル人気が超常的に沸騰している中での新キャラクター出産は想像以上の難産であり、
恐れ多くもその妹君を登場させるとは、アカン時は切腹するくらいの覚悟で机に向かっておりました。
ナコルルのイメージが、柔らかさと白さを持った「ほっと出来る女の子」であるのに対して、
その妹ではどういったアプローチが良いのでしょう。
うかつに設定するとエライ事になります。…切腹か、痛いらしいなぁ。
あまりの重圧に素直に考える事が出来ず、試行錯誤を繰り返した結果、お姉さんと対極に位置する、
はじける様な明るさと優しさを兼ね備えた「ウキウキさせてくれる女の子」という直球勝負に決めました。
ナコルルがママハハを守護鳥として聖戦を経験しているのに対し、
リムルルは氷の精を友達として連れ、斬り合う事の怖さを知らない「これから」の女の子として
出来上がった訳です。少々の天然ボケも加味して。
この直球勝負は正しかったのでしょうか?これまでのところ、皆さんからはお姉さんと同じかそれ以上にも
指示して頂いている様で、関係者一同、腹を撫で下ろしています。
お腹を痛めて生んだ子ですが、今や彼女等は独り歩きし始めています。
これからもナコルル&リムルルを皆さんの熱意で育てはばたかせてあげて下さい。
生みの親である僕等がジェラシーを感じるくらい彼女等が人気者である事を祈りつつ…。