牙神幻十郎



幻十郎「ふふふふふ。いよいよ始まりだ」





幻十郎「……あんたか」

(カラスの群れが飛び交い画面が暗転し、巨大なシルエットのミヅキが現れる)

ミヅキ「ラキキキキ……、うまくいっておるようだな?

残りはもうあと四人だ。望みかなえたくば、ささ、早う殺してこい」


幻十郎「ふ……承知した」

(元のステージに戻ってくる)

幻十郎「魔王か……甘いな」





幻十郎「芝居はここまで。魔王とやら、殺す!」

(雷鳴が轟き岩山がいくつも隆起し、パレンケストーン・タンジルストーンの両秘石が現れ虚空へ吸い込まれていく。

秘石の消えていった正面に、額に梵字のある巨大な髑髏が現れる)


髑髏(=アンブロジァ?)「ラキキラ無理無理キキキッ!ンキキラッ、喰ってやろう!!!!!」


(髑髏が消え、ミヅキステージである祠が現れる。一つ目を持つ巨大な黒い球体が背後に鎮座)

幻十郎「ふふふふふ。言ったろうが、死ね!」





(森を見下ろす崖の上に立つ幻十郎)

幻十郎「フッ……弱すぎる。……ンッ、あいつは」

(幻十郎崖から飛び降りる)

(森の中、膝をつく覇王丸の前にやってきた幻十郎)

幻十郎「化け物ごときに手こずってたじゃねぇか、覇王丸。」

(刀を構える)

幻十郎「さあ、俺がお前を殺してやるぜ」

覇王丸「クッ…………」

静「おまち下さい!」

(覇王丸の婚約者・脇坂静が駆け寄り覇王丸の前で両腕を広げる)

静「覇王丸様は手負い。勝負は傷がいえてからにすべきです!」

幻十郎「……これはこれは、いせいのいいおじょうさんだ」

(幻十郎刀を下ろす)

幻十郎「ふ、……いいだろう」

(幻十郎去っていく)

(森の中一人立つ幻十郎。一匹の金色のカエル(幻十郎が傘をさす勝利ポーズで登場する)が跳ねてくる)

幻十郎「(振り向いて)お前か……」

幻十郎「(そっぽを向き)目障りだ、うせろ!」

(カエル、名残惜しげに後退する)

幻十郎「……」

幻十郎「勝手にしろ……」

(幻十郎その場から飛び去る)

(カエルは幻十郎が去った方めがけて懸命に飛び跳ねる。その姿を残して画面暗転)