サムライスピリッツ天草降臨 作曲者コメント
1996年、銀行の残高がふところを圧迫せし頃、一つのゲームの開発が燐火を上げて蘇った。
大地を揺るがし出現したその企画は、次々と開発スタッフを繁忙一色に染めていった。
それに呼応するかの如く、己が身を修羅に変え、仕事に生きる者たちが現れた。
そんな感じでサムスピシリーズ4作目「天草降臨」を今回は、自称奇才(笑)YAMAPY_1の私にバトンが渡され製作期間
3ヶ月というとんでもなく短い期間でサウンドスタッフ4名で作り上げここに誕生となりました。
今までのサムスピのイメージを残し、かつ新しい要素をという難題を背負い今回は、天草ワールドの表現ということで
音楽は重く暗く、それでいて効果音及びキャラクターボイスは従来のサムスピの爽快なイメージで音作りを進めてまいりました。
スタッフそれぞれのコメントは、今後発売されるアレンジサウンドトラックスでいただくとして、
私が代表してペンをとらせてもらいました。
会心の苦労作ですので、皆さんも新しくなったサムスピワールドをぜひ堪能して下さい。
余談ではありますが、私自身の性格をサムスピのキャラに当てはめるとしたら閑丸だと思うのですが、
周りの人達が幻十郎だと言ってくるので悩んでいます。
私は、幻十郎はTATE_NORIO氏だと思っています。と、こんな事を書くと怒られるので
ゴメンナサイ、もう行きます。
YAMAPY_1
天草降臨 タイトル
従来のサムスピシリーズのタイトル曲は、完全に和物アレンジで構成されていましたが、今回は和物に新しいエッセンスを
取り入れて曲を作ろうと考えました。その新しいエッセンスとはダーク、つまりこのゲームのタイトルにもなっている
天草四郎時貞の暗の部分を音に変え表現してみましたが、いかがなものでしょうか?
ゲーム中では、プレイヤー側で神、コンピュータ側で悪の二面性を持っている天草四郎時貞、
次回は神、言い換えると明の彼を音にしてみたいものです。
YAMAPY_1
川―改― 橘右京
サムスピ・ファンの皆様ならおわかりの事と思いますが、前作”斬紅郎無双剣”の右京のテーマのリアレンジです。
もともと原曲はMARIKO嬢によるものだったので、この曲の担当が決まったとき、MARIKO嬢の所にMIDIデータを
もらいに行ったのですが、「何?この私の曲をアレンジするっていうの? フッ、あなたもずいぶんと偉くなったものねぇ。
オーホホホホ」と言われてしまいました。(結局耳コピ。)この曲に関して私が言いたい事はそれだけです。はい。
SHA−V
鮪の化身 ガルフォード
このガルフォードのテーマというのは、いままで幾度となくアレンジが繰り返されてきましたが、今回は僕なりにこの曲を
とらえて、すこし違ったアプローチを試みてみました。でも、すんなりとはなかなかいかなくて、悩む部分も多々あったんですが、
最終的には原曲のイメージを壊さないように良い方向に進めたと思っています。前アレンジとイメージがどう変わったか
ぜひ聞き比べてみて下さい。
叙情派 KITAPY
自然の宴―其の弐―
私が「サムライスピリッツ」第1作目のナコルルに対して持っているイメージは「まだまだ幼い女の子」なんです。
今回はその曲のアレンジということで、「それから少し成長したナコルル」をテーマに曲を書きました。
その少し成長した、「今のナコルル」というキャラクターに大して私が持っているイメージにそってアレンジを加えてみたつもりです。
この曲を聴いて「前回より大人っぽいなぁ」って感じてくれたら嬉しいです。
MITSUO
心の鏡―其の弐―
TATE_NORIO氏が作ったリムルルの曲を覚えていますか? そのリムルルの曲が新たに蘇って参りました。
前作は「元気なリムルル」というイメージでしたが、今回は「素朴なリムルル」をテーマに曲を作りました。
メロディは一緒で前作とは違う雰囲気の「素朴感」を出すというのは難しく、途中何回もやり直しをしましたが、
最終的には自分の納得出来るものが出来た様に思います。「自然の中の素朴なリムルル」を想像しながら聴いてみて下さい。
MITSUO
修羅道 覇王丸
サムスピのキャラで一番の熱血漢、覇王丸。今回も新曲での登場となりました。
新曲という事で、どの様な曲にしようかと悩んでいましたが、覇王丸は熱血日本男児のイメージが強く、今までの様にやはり
和物曲となりました。太鼓で躍動感を、三味線で疾走感、そして尺八で軽快さといったものを表現していき覇王丸のキャラクターを
音に変えてみました。皆さんも覇王丸の様に元気一杯この冬の寒さを乗り切りましょう。
YAMAPY_1
鬼唄―改― 牙神幻十郎
覇王丸の終生のライバル幻十郎、私がサムスピの中でもっとも好きなキャラクターです。そんな幻十郎の曲を前作の別アレンジで
手掛けさせてもらいました。ネオジオ版では重たいアレンジで、今回も当初想いアレンジで進めていましたが、
なぜか私の中で、古き良き時代(60−70年代)の音と幻十郎のキャラクターがリンクし、70年代風のアレンジでの登場と
なりました。己が道を信念を持ち突き進む、そんな幻十郎の生き様に古き良き時代をすごした人達の生き方が重なったのかもしれません。
ちなみに私は、その時代まだ小さな子供でした。
YAMAPY_1
続々舶来女 シャルロット
今回のシャルロットは「サムライスピリッツ」第1作目で使われていた曲を「和風アレンジ」にする事になりました。
バロック調のイメージを残しつつ和風にアレンジするというのは難しく、当初悩んでいましたが、着物姿でお茶を立てている
シャルロットを想像しながら曲を書いているうちにイメージがわいてきて、ふと気付くと曲が出来上がっていました。
自分では、バロック調のイメージを残しつつ和風にアレンジする事が出来たと思いますがいかがでしょうか?
この曲を聴いてくれた方も私と同じ「着物姿でお茶を立てているシャルロット」を想像してくれたら嬉しいです。
MITSUO
焔 風間火月
実はつい最近気付いたのですが、私の担当するキャラクターはどいつもこいつも火を使います。
(ちなみにそのキャラクターはと言うと、ビリー・カーン、草薙京、そして今回の風間火月です。)
このCDが発売される頃は冬真っ盛りです。空気が乾燥してして火の事故が起こりやすくなります。皆さん、間違っても火の玉を
指で”ピシッ!!”と飛ばすような事は止めましょう。
(二個も三個も飛ばさない様に。)この曲に関して私が言いたい事はそれだけです。はい。
SHA−V
動なる静 天草四郎時貞
天草四郎時貞と斬紅郎のテーマは、もともとの曲を二つにわけて、組曲という形でそれぞれに個性を持たせました。
「動なる静」というタイトルをつけた理由には、激しく猛々しい中にも一筋の静けさや切なさを表現したいということからで、
当初の目的にそってなんとか仕上がったかな?と思っています。一応、組曲なのでこの曲を聞いた後すぐに続けて斬紅郎のテーマを
聞いてみて下さい。
叙情派 KITAPY
静なる動 壬無月斬紅郎
斬紅郎のテーマは、「静なる動」ですが、天草四郎時貞のテーマ「動なる静」とはちょうど対極にあって、同じように理由があります。
「動なる静」は、猛々しい中にも一筋の静けさや切なさを表現するという形をとりましたが、「静なる動」では、静けさの中に
含まれるうねりというか鼓動というか、大海の中で身をゆだねるような感じを表現しました。
叙情派 KITAPY
勧進元 スタッフロール
嵐が去って、それぞれの想いを胸に旅立って行く。そんな侍たちの心を表した曲・・・最初に私が感じたのはそんなイメージでした。
久々の登場となりました、YASSUNです。いや〜、この世界観を残しつつ、私の色に変えていくのはなかなか難しいものがありました。
曲の後半ではドラムやディストレーションが入って前半に比べると派手な構成になっていますが、みなさんいかがでしょうか?
私は武士道烈伝の方にも出没しております。機会があったら会いましょう。
YASSUN