「アース12神」ととあるアース神


『詩語法』で明らかにされた、オーディンに仕える男神たち「アース12神」のメンバー。



トール・フレイ・ニョルズ・テュール・ヘイムダル・ブラギ・ヴィダル・ヴァーリ・ウル・ヘニル・フォルセティ・ロキ



これでトールとヘーニルは同じ神である! という私の説は真っ向から否定されたわけですが(^^;)

同時に、何かおかしい・不自然だと感じた所がありました。

「バルドルの復讐のアース」として生まれた神ヴァーリと、

「バルドルのはかりごとによる殺し手」であるロキが、何故同じくアース12神」として並べられているのか?

(上の二つはそれぞれの神のケニングです)



というのも、ロキはバルドル謀殺後(もしくは『ロキの口論』後?)アース神たちによって捕らえられ、

「とある洞窟のところにつれて行かれ」縛り上げられて毒蛇の毒液が顔にかかるようにされます。

ロキの妻シギュン(『詩語法』ではアース女神に名前を挙げられています)は、桶を持って夫を毒液から守りますが、

桶が満杯になれば離れざるを得ず、その時毒液を浴びる羽目になるロキは「猛烈にもがくので大地が震える」

「これを、お前たちは地震と呼んでいるのだ」(『ギュルヴィたぶらかし』第50章より)



つまり、現在の地震がある世界は、ロキが「アース12神」として、オーディンや他のアース11神と並ぶことはなくなっている筈の世界であり、

ロキが北欧神話で為した数々の功績も悪戯も、すべて過去のものとなっている、

ラグナロクの前の静けさの世界である筈なのです。

北欧神話が成立し始めたヴァイキング時代から、『エッダ』を著したスノッリ=ストゥルルソンの生きた中世に至るまで、そうであった筈です。

それで何故、ロキの存在は12神に残されたままなのか。



まあ「アース12神」について別の例を挙げますと、

オーディンとトールが英雄スタルカドの運命を巡って言い争うシーンがある『ガウトレクのサガ』では



真夜中に、フロスハールスグラニはスタルカドを起こし、共にオールを漕いでその島に着き、彼を連れて森を通って林間の空き地にやって来る。

そこでは一二の席の周りに一団の人々がいて、「全体会議(シング)」が開かれている。一一の席がすでに神々によって占められている。

フロスハールスグラニは、自分がオージン(オーディン)であることを明かして、一二番目の席に着き、スタルカドの運命の決着がつけられることになると宣言する。




「アース12神」はオーディンを除いての構成の筈なのですが、オーディンが入ってようやく12神、という構成になっちゃってます(^^;)

ここではオーディンとトール以外誰一人喋っていない為、「アース12神」中10神はその場にいるだけの舞台装置みたいなものですけど(笑)

つまりはロキがバルドル謀殺によって捕縛された後、と考えれば、"1人減ってオーディンを入れて12神"で辻褄は合うのですが……。




その話は一旦置いて。

ここで、「アース12神」について、改めて考えてみます。

まず前半の5神は、



トール・フレイ・ニョルズ・テュール・ヘイムダル



それぞれアース神族でも重要な位置を占めており、神話にもちゃんと出番があり、明確な役割も持っている主要メンバーと言えるのですが、

ロキを除いた後半の6神。



ブラギ・ヴィダル・ヴァーリ・ウル・ヘニル・フォルセティ



ぶっちゃけ、途端に影が薄くなりますね(笑)

「アース12神」でもサブメンバー・悪い言い方をすれば二流、マイナー気味の数合わせな雰囲気すら漂わせています(^^;)



詳しく見ていくと(と言っても一口説明程度ですが)、



ブラギ:言葉と雄弁と詩の神。若返りのリンゴを育てている、女神イドゥンの夫。

正直奥さんの方が話の中心(巨人シャツィに攫われる)になるほど影が薄いです(笑)1

『詩語法』のブラギのケニング紹介では、彼は「オーディンの息子」となっています。



ヴィダル:オーディンと女性巨人グリーズの息子。『ギュルヴィたぶらかし』の紹介(第29章)では「トールに次いで強い神」

「神々はこのアース神を大いに頼りにしている」とありますが、裏付ける神話は何一つ残っていません。

ぶっちゃけると、ラグナロクでオーディンが巨狼フェンリルに呑まれて後、その仇を討つためにだけ存在している神です。



ヴァーリ:オーディンとリンドの息子。ヴィダル同様、存在意義がただ一つしかない神。

バルドルの仇討をするためにだけ誕生させられたようなもので、それ以外神話はありません。



ヘニル:(ヘーニル)=トールである、という自説を一時棚上げして考えると、彼はヴァン神族に人質に行ったはずなのになぜ「アース12神」に入ったままなんでしょうかw



フォルセティ:バルドルとナンナの息子。12神メンバーで唯一、オーディンの孫です。

ということはバルドルの代わりに入っているんでしょうか……?



さて、一口説明から省いた神がおりますが。

上から省いたウルは、『ギュルヴィたぶらかし』第31章で次のように紹介されています。



ウルという神もいる。シヴの息子で、トールの継子だ。彼は並ぶもののない名射手でスキーヤーだ。また美貌で戦士として優れている。

決闘の折にはこの神に祈願するとよい。





そんなウルは、他の「アース12神」と決定的に違う点が存在します。

前半の5人のアース神は、

トールはオーディンの息子と一般的には言われ(ケニングに「オーディンとヨルズの息子」があります)、フレイとニョルズは元ヴァン神族ですがアース神族の中での重鎮。

テュールとヘイムダルですが、この両神は『ギュルヴィたぶらかし』では何の言及もありませんが

『詩語法』でのそれぞれのケニング紹介に付け足して「オーディンの息子」とされています。



つまり、「アース12神」とは元ヴァン神族のフレイとニョルズ、そして「オーディンの同行者」であるヘーニルとロキを除いて

ほぼオーディンの血縁者(主に息子)、ということになっているのですが

(エッダ詩『ヒュミルの歌』でテュールの父親が巨人ヒュミルとなっているのは奇麗にスルーされていますw)

ウルだけはオーディンと血縁関係がありません。というか、父親が不明・全く言及がなく、母親だけが判明しているという珍しい存在です。

トールは彼の関係者ではありますが、「継子」つまりトールは継父で血の繋がりはない、ということが明言されています。




何故、オーディンと唯一無関係かつ、父親不明の謎の神ウルが「アース12神」に数えられているのでしょうか。

そしてウルの「父親」はどこの誰?

というか、そもそもウルとは一体何者なんでしょうか……?



ここからは、ウルの正体を突き詰めていこうと思います。






エッダ詩『グリームニルの歌』には次のような一節があります。



ウルが自らの館を築いたところはユーダリルという。




……えー、エッダ詩=詩の『エッダ』で、ウルについて具体的に語られているのはこの一行だけです(笑)

つまり神話世界でのウルはほぼ名前だけの断片のような存在なのですが、『詩語法』で紹介されるウルのケニングは次のようになります。



ウルはどのようにいいかえられるのですか。

「シヴの子」「トールのまま子」「スキーのアース」「弓のアース」「狩のアース」「楯のアース」と呼ぶ。





故に『ギュルヴィたぶらかし』での紹介と合わせて、ウルと言えば弓の名手でスキーの神である、というイメージがある程度定着していますね。

ですが。

他にウルについての神話と言えば、実は一般的な北欧神話(すなわちスノッリのエッダと詩のエッダ)以外の所にあったりします。

それは『デンマーク人の事績』。以前、英雄スタルカドを取り上げたページで使用した参考文献のひとつで、

12世紀にデンマーク人の歴史家サクソ・グラマティクスによって著された書物であり、

従来の北欧神話=エッダが伝える神話とは趣の異なる神話が、数多く収録されています。

この文献の第四の書・第三章で語られる物語で、ウルはオレルという名前で登場します。

さてどのようなものかと言いますと、これまた以前紹介した、エッダとまるで異なるバルドルとホズ(『デンマーク人の事績』ではバルデルとホテル)の物語の、

その後を語っている部分です。

要約すると次のようになります。



ホテルは妻ナンナを狙い、神々を味方につけたバルデルとの海戦に勝利をおさめ王となったものの、その後2度バルデルに敗れることとなる。

(しかしバルデルにはナンナの幻影に悩まされる描写があり、ホテルには息子が二人いることからするとナンナを強奪したりはしなかったらしい)

3度目にバルデルと戦った時、ホテルはバルデルが力を増すために特別な食事を摂っている事を知り、調理をしている三人の乙女たちにホテルの部下であると言って近づき、

(食事をどうこうすることはできなかったが)彼女たちから勝利の帯をもらい、以前に手に入れた「神聖な堅固さで守られ」「どんな刃も通らない」バルデルに致命傷を与えられる

ミミングの剣2でバルドルを倒すことができた。(ちなみにこの特別な食事、原材料は毒蛇の毒です(笑))

息子の死後オーディンはバルデルの仇を討つ弟を産ませるため、「ロシア王の娘リンダ」(『エッダ』ではリンドに当たる)に近づき、三度拒絶されたのにもめげずに

四度目にリンダが病気になったのを見計らって近づき妊娠させた。(オーディンとリンダの息子は『デンマーク人の事績』ではボウという名前になっています)

この行為が神の威厳を損なったとして、オーディンは追放される。

代わりに神々の王に選出されたのがオレルという者であった。オレルはオーディンの名を与えられ十年間統治を行なったが、禊が済んだとしてオーディンが復権した。

オレルは新天地に向かい名誉回復に努めたが、デンマーク人によって殺害されたという。



オレルについては続けてこう語られています。



「言い伝えによると、彼は大変魔術に長じており、海をわたるのに恐るべき呪文が記された骨を船の代わりにつかい、櫂と同じくらいに、

行く手をはばむ水を乗り越えて行けたということである。」
(上掲書P109〜110)




つまり、『デンマーク人の事績』におけるウル=オレルは、一時期とはいえオーディンに代わって神々の王となった者、とされているのです。

詩の『エッダ』では、ウルは神話を持った神ではないものの『グリーンランドのアトリの歌』内でこう言及されています。




「あなたがこれまで南の太陽と、勝利の神(オーディン)の岩と寝室と、ウルの腕輪にかけてしばしば誓ったとおりになればいい」




このウルの腕輪とは、フォルケ・シュトルム『古代北欧の宗教と神話』によれば、古代北欧で聖域=神殿の祭壇に安置されていた腕輪(祭壇腕環・スタツラフリング)を指し、

神かけた宣誓に使われていたそうです。

ウルについて唯一まともに記述している(住まいだけですが)『グリームニルの歌』では、




「火に最初に手を出す者は、ウルとあらゆる神々の恩寵を受ける。」




という記述も出てきます。

火に手を出す、とはいわゆる"盟神探湯くがたち"(神明裁判)でしょうか? ウルが神々の代表のようになっているのを見ても、

ウルがオーディンに匹敵する、または代わって主神になれるだけの力を持った神、というのは明白なように思われます。




ところで少し話を戻しますが、

『デンマーク人の事績』には、オレル=ウルが登場する前に全く同じような話が出てきます。

第一の書・第七章(P33〜35)は、やはり神として崇められるオーディンの没落と復権を物語っているのですが

原因はオーディン自身の不名誉な行為というよりは、后であるフリッガ(フリッグ)の行為。3

オーディンを崇める人々が、オーディンの像を作りそれを黄金で覆い、さらに大量の腕輪を下げたのを

身を飾りたいフリッガが人を使って奪わせ、その不名誉のためにオーディンは自ら追放に身をゆだねたとあります。

オーディンが国を去った後に王位を簒奪し神を名乗ったのが、ミトオティン(偽オーディン、との説があるそうです)という男。

魔法を使って好き放題していたミトオティンですが、オーディンが帰国すると逃亡し、逃げ込んだ土地の住人に殺害されました。



……と、ほぼオレル=ウルの話と同じ展開なんですけど、大きく違うのはミトオティンの死後。

死んでからも彼の害悪は消えず、というか彼の墓に近づいた者は全て突然死し、その上国は大変な疫病に見舞われました。

殆ど殺生石というか……完全に妖怪です(笑)

この災いは住人達がミトオティンの亡骸を墓から引きずり出し、首を刎ねた上に胸に杭を突き刺してようやく収まりました。

……完全に吸血鬼状態です(笑)




要するに、オーディンが神の座を追われ、別のもの(神)が取って代わったがオーディンが復権した後に殺された、というストーリーが2回語られているのですが

オレル=ウルは神々によって正当に主神として選ばれ、「たんに仕事の代理人としてではなく、威厳の正当な相続人と認められるように、完全な王の名誉を与えた。」

となっているのに対し、ミトオティンは「自らを神といつわる機会をつかんで、教養のない人々の心を新たな錯誤の闇に包み、その魔法の名声により、

自らに対し神聖な崇拝を命じた。」
と明らかに悪に傾いた描写をされ、かつ死後も死や疫病をまき散らす妖怪化している点が大きな違いですね。



つまりはウルという神は、おそらく北欧神話が成立する以前に主神であったのが(戦神テュールもそうと考えられているように)オーディンやトールといった神々に追いやられて

マイナー神になってしまった、と思われるのですが

重要なのはオーディンに取って代わったことのある神、とされている点。(故に、オーディンと血縁関係がない身で「アース12神」に入っているのだと思われます)

実はほんの微細な描写ながら、"オーディンに取って代わった"ような行為を明記されている神が他にいるのです。




エッダ詩『スキールニルの旅』、及びスノッリのエッダ『ギュルヴィたぶらかし』第37章の両方に、次のような描写で始まる神話があります。



ニョルズの子フレイは王座フリーズスキャルブについて、全世界を見渡していた。



そこで彼は北の方の領地・または巨人国にいる美女ゲルズを見初め、恋煩いになるわけですが

『ギュルヴィたぶらかし』第37章は続けてこう描写しています。



彼は神聖な座についていたという高慢の鼻をへし折られ、すっかりしょげて退出した。



王座フリーズスキャルブは、「普通、オーディンとフリッグしか坐ることが許されない」神の神座(みくら)なのですが、

どうやらフレイはこっそりと入り込み、主神の気分を味わっていたようです。

こういう行為をした神はフレイの他にいません。

そして先述の『グリームニルの歌』では、ウルの館を詠んだ同じ節でこう続いています。




ウルが自らの館を築いたところはユーダリルという。

その昔神々はフレイに歯の贈り物としてアルヴヘイムを送った。
4




大体、一節において歌われる神は一人だけなのに、

何故かこの『グリームニルの歌』第六節、ウルとフレイを同じ節で続けて挙げているんですよね。



北欧神話の研究者たちの中には、こう考える人もいます。

ヴァン神族出身のフレイの名は、個人としての名ではなく、"代替名"(代わりの名)であると。



Freyrは「主人、支配者」を意味する。したがってこの名は、元来普通名詞であって固有名ではない。

この名は祭祀中で用いられた豊穣神に対する呼称をなしていた、あるいは――こちらが一層蓋然的であるが――

この名はいわゆるノア名、つまりあまりに神聖であって、そのためタブーとされた神名の代替呼称であったと推測されている。
(上掲書P179)



この説を唱えたスウェーデン人地名学者・サールグレンは、フレイ=主人、支配者という呼び名を持つ神の本名はウルであった、と考えていたそうです。


ウルの名は輝きを意味すると言われ、如何にも天空の神=多くの国で主神・神々の中心と考えられた神の特徴に相応しく思えますね。



つまり!!!


フレイとウルが同じ神であり、それなのに同時に
「アース12神」に数えられているということは!!

最初のテーマに戻って、トールとヘーニルを同じ神と考えても問題ないわけです!!




しかしながら、ここで唐突に一人Q&Aコーナー。


ウルは「弓の神」で、フレイは「剣の神」なんですが?


トールの槌(ミョルニル)やオーディンの槍(グングニル)のように、神の象徴としての武器は一つだけの方が確かに収まりがいいのですが

北欧神話を成立させたヴァイキングたちの実際の戦では、全員の役割分担が決定している・つまり使う武器が一種類だけということもなかった、と思われます。

時と場合に応じて、弓矢や剣や斧を使い分けていたケースも多かったのではないでしょうか。

ラグナロクで剣を失っているフレイは鹿の角を振るって巨人たちと戦いますが、巨人たちが接近戦を挑んできたと考えれば

弓矢を使うのは危険だったのでは。




ウルのケニングには、家族関係を除いて全部「アース(神)」がついているし、フレイのケニングには「ヴァン神」とありますよ?


エッダ詩『ロキの口論』では、宴に参加する神々に言いたい放題のロキに対し、トールの妻シフがお酌してこう言います。


「ようこそ、ロキ。古い蜜酒のなみなみとつがれた杯をうけてください。アース神の子らのうち一人だけには毒舌を浴びせないように」


この時宴には、元ヴァン神族のニョルズ親子や巨人シャツィの娘スカディも参加していました。

つまり全てひっくるめて「アース神の子ら」としているわけです。

フレイはアース神のプリンス・アース神の守り人と呼ばれることもあるので、そこはさして問題にならないのでは。




ウルとフレイが同一の神なら、両親はニョルズとトールの妻シフということになってしまいますが?

そこなんですよ!!




最大の問題点です。どう考えてもおかしなことになります。

フレイ(とフレイヤ)の母親は、("ウルの父"同様に)神話に全く登場しない謎の存在ですけれど……。



と、またまた窮地に追い込まれ(笑)焦りながらシフという女神に目を向けてみると、

彼女にも多々、謎というか疑問点というか、が見えてきたのです。



というわけでまだまだ続きます。

いつの間にやら、「北欧神話、トールの関係者の謎に迫る!」がテーマになってまいりました(笑)




最後に。

えー、放置していた「何故ロキは捕縛されて地震を起こす存在になりながらアース12神に入ったままなのか」問題ですが。

オーディンの息子でありながらバルドルが入っていない点からして、理由は

バルドルは死んだ神だから。

ロキは事実上追放処分でも生きている神だから。

なので、未だに「アース12神」に数えられたままなのではないか、と思われます。

私の仮説ですと、トール=ヘーニル、ウル=フレイということになるので

「アース12神」は「アース10神」になり、誰か追加しなければ数が合わなくなるのですが(^^;)




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1『ギュルヴィたぶらかし』第26章がブラギと妻イドゥンの紹介ですが、イドゥンとその若返りの林檎の分量の方が多いような。

イドゥン誘拐事件については「一度など、それで災難が起こるところだった。」と仄めかされていますが『ギュルヴィたぶらかし』内では語られず、

語られるのは新潮社版『エッダ―古代北欧歌謡集』には収録されていない第二部『詩語法』です。



2ミミングは「森の神(サチュルン)」とされており、この剣の他にドラウプニルの如く、というかアンドヴァリの腕輪の如く? 富を増やす腕輪を所有しています。



3ここでのフリッガは、一度はオーディンに邪魔されたものの下僕の一人と夜を共にして彼に立像を破壊させ、我が身を飾る「個人の贅沢の手だてにかえた」とあり、

『ソルリの話とヘジンとホグニのサガ』のフレイヤの行為を連想させます。

簒奪者ミトオティンの死が語られた直後に、「オーディンは妻の死によって昔の名声をとりもどし、その神性についての汚名はそそがれたように見えた。」と続いています。

ここから判断するとフリッガは、死因は不明ですが(オーディンによる処刑かもしれません)『デンマーク人の事績』では息子に先立って死亡したことになります。



4「歯の贈り物」とは、「最初の歯が生えたとき子供に贈る贈物」だそうです。微笑ましい風習ですね。

しかしこの記述、私にとっては新たな疑問を呼んだのでした。理由は次の更新にてw